技術研修カリキュラム例

製品検査

1.訓練の名称  工業用粉炭の製造方法

2.訓練の特徴

本訓練は、工業用炭を製造するために最も適した山仙プール式炭化平炉の製造技術を取得するものです。本炉は、従来の炭焼き窯が密閉構造を必要としたものとは異なり、上面を開放したプール状の平炉で、原料の搬入や製品の搬出に汎用作業機械を利用することを特徴とします。機械化により従来の炭焼から労働を軽減し、炉の設備投資額が少なく、多量生産を可能にし、工業用炭として多量に利用することを可能にならしめます。しかし、密閉構造を排除した簡単な構造であるために、長年にわたって創意工夫をされた本炉の製造方法に関わる固有の技術を習得しなければ安全に操業し、且つ高品質の製品を得ることは困難です。

3.訓練の目的

本訓練は、山仙プール式炭化平炉による未利用自然物の製炭技術について、炭化作業から炭化物の保管管理に至る工程を実地作業を通して具体的に教育訓練する専門的な講座で、全てのコースを修了した受講者には十分に技術習得されたと認められる証として「山仙プール式炭化平炉技術認定書」を授け、その受領者は山仙プール式炭化平炉を使って炭化製品の製造並びにその技術指導を行うことが可能となります。そして本教育訓練を通して本炉による工業用炭の製造方法及び産業上の利用方法が広く普及し、惹いては森林管理上多量に放出される林地残材や倒木、間伐材、樹皮などの未利用有効資源が、土壌改良、水質浄化、燃料や畜産飼料など産業用資材として利用されることを目指します。

4.開催日  不定期

5.会 場 島根県益田市美都町板井川678 山本粉炭工業 内

6.講 師

特例有限会社山本粉炭工業代表取締役 山本明男 氏(発明者)

7.訓練期間

技術認定の受領までの日程は、5コースを通算30日間に渡って連続して行うことを標準とします。

8.受講料  研修条件によって、ご相談とします。

9.訓練コース概要

概論コース:炭化工程の見学コースで、炉の仕組み、製造工程、粉炭の管理・利用法、などを研修します。

初級コース:個々の製造工程について、指示を受けながら作業実習を行います。

中級コース:講師の指導を受けながら、製造工程の全体を通して作業の訓練を行います。

上級コース各工程におけるタイミングなど、全工程について研修生が自らの考えで実行し、講師から事後修正を受けます。

認定コース:炭化炉の整備から粉炭生産管理までの全工程について作業実務を行い、講師が認定可能と判断した時点で、「受講修了証」を発行し、「山仙プール式炭化平炉技術認定書」を授与します。

注記:
山仙プール式炭化平炉で製造される粉炭の需要が増すにつれて、複数の製炭事業所が協力し合って粉炭の多量需要にこたえる時期が迫っています。
その場合に、粉炭の品質を一定に保つため、本研修で認定された製炭技術者は他の認定技術者に迷惑を掛けないよう一致団結する必要があります。
そこで、商標『山仙』を含む山仙粉炭というブランド登録会員制の組織を構築することが望まれます。